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平和安全法制③『法的安定性こそ生命線(前編)』

こんにちは。平木だいさくです。

「法的安定性は関係ない」との発言に関して、首相補佐官の釈明から始まった今週の平和安全法制審議。

発言は撤回されたものの、いまだその影響は尾を引き、来週の審議日程が見通せない状況が続いています。

不見識な発言に論戦が振り回されたかたちですが、ところでこの『法的安定性』がどの程度大切なものであるか、皆さんは理解されていますか?

結論から言えば、『法的安定性』【または『過去の政府見解(憲法解釈)との論理的整合性』】とは、法案にとってまさに生命線にあたる極めて重要なポイントなのです。

本日は、この『法的安定性』について、詳しく解説したいと思います。

『法的安定性』とは、一言で言えば、法律や憲法解釈が一貫性を保てるよう、コロコロ変えてしまわないこと。

とりわけ憲法適合性の判断基準が大きくぶれると、法体系そのものが揺らぎかねません。

今争点の一つとなっているのも、この憲法適合性の判断基準に関する、政府の憲法解釈の一貫性です。

『法的安定性』の議論において、政府の憲法解釈がこれほど重視されるのは、日本の司法制度の特殊性に由来しています。

三権分立が確立している日本において、法律の憲法適合性を最終的に判断するのは裁判所です。

日本の場合、憲法適合性だけを専門に扱う憲法裁判所がないため、その役割を最高裁判所が担うことになります。

しかしながら、最高裁判所が合憲・違憲を判断するのは、極めてレアなケースに限られます。

まず第一に、具体的な侵害の発生(例えば、この法案によって自衛官が不当に命の危険にさらされた等)なしに、法律の合憲・違憲だけの判断を求めることはできません。

そして第二に、たとえ審査を行ったとしても、外交や防衛などの“高度な政治性”を有するものについては、判断が回避されることが少なくありません。

実は、最高裁判所が日本の『自衛権』について判断を示したのも、これまでたったの1回だけ。(そう。最近よく聞く『砂川判決』です。)

したがって、最後の砦が最高裁判所であることに変わりはないのですが、司法が判断を示すことが少ない日本では、政府が法案を提出する段階において、内部で厳しく憲法適合性を審査し、その憲法解釈の一貫性を保つことが強く求められるようになりました。

政府内でこの機能を司るのが内閣法制局であり、『政府の憲法解釈』とは一般に、国会の答弁等で示された内閣法制局の公式見解を指します。

さて、そこでいよいよ本題です。

今回の平和安全法制で規定された『自衛権』行使のあり方は、果たして『法的安定性』(政府の憲法解釈との論理的整合性)の観点から許容されるものなのでしょうか。

続きは(後編)に譲りたいと思います。

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