憲法の枠内で国際貢献 「人間の安全保障」の推進を
25日の参院平和安全法制特別委員会で公明党の平木大作氏は、世界の平和と安定に積極的に貢献する立場から、平和安全法制の関連法案を整備する必要性について確認した。
この中で平木氏は、平和安全法制が「日本の安全」を守るための法整備に加え、「国際社会の平和と安全」のために自衛隊が武力行使以外の方法で行う国際貢献についても定めている点に言及。「日本の平和と繁栄があるのは、国際社会の平和と安定があるからだ」と訴え、テロの連鎖や国家の崩壊などが見られる不安定な国際情勢の中で、「(資源や経済などの面で)国際社会から恩恵を受けている日本人が無関心でいてはいけない」と力説した。
安倍晋三首相は、「平和は繁栄の礎だが、唱えるだけでは実現しない。まずは外交を通じて平和を守っていくことが重要」と述べ、地域や世界の平和と安定の確保に、より積極的に貢献する必要性を指摘。日本が人道支援を通じた人間の安全保障の促進や、軍縮・不拡散の推進、海洋安全保障や法の支配の強化、人権擁護などの分野で世界に貢献してきた事実を強調した。
安倍首相はさらに、日本が1992年以降、カンボジアをはじめとする13の国連平和維持活動(PKO)などに、延べ1万人を超す要員を派遣し、「国連や国際社会から高い評価を得ている」と紹介。さらなる国際貢献を可能とする平和安全法制の成立に期待を寄せる諸外国の声を紹介しながら、世界が平和と繁栄を謳歌することによって「日本も大きな利益を得ることができると確信している」と主張した。
これに対し平木氏は、平和で紛争のない世界をめざすには、テロや貧困、差別など紛争を引き起こす「構造的な暴力」の解消に取り組み、人々を解放する「人間の安全保障」に「具体的に取り組んでいくことが基本中の基本」と強調した。
一方で、その努力にもかかわらず万一、紛争が発生した場合に、他の地域への波及をいかに食い止め、地域の安定へどう行動するかについては「国連を中心とした国際社会が、皆で役割分担しながら取り組んでいる」と紹介。その中で、平和憲法を持つ日本が、憲法が禁じる海外での武力行使にならない範囲で、どのような形で国際貢献を果たしていくかについて、「しっかり議論して作ったのが、今回の平和安全法制だ」と訴えた。(2015/08/26公明新聞)