イアン・ブレマー氏(国際政治学者)と会談
日本の政治は「安定のモデル」
公明党の山口那津男代表は2日、参院議員会館で、著名な国際政治学者で米調査会社ユーラシア・グループ社長のイアン・ブレマー氏(写真:右から2人目)と会談した。ブレマー氏は、国際社会における日本の政治は「安定のモデル」だと強調。平和を重視する公明党が果たす役割として、多国間協調に向けたリーダーシップを求めた。これには公明党の谷合正明、平木大作の両参院議員が同席した。
ブレマー氏は、1998年にユーラシア・グループを設立し、国際政治のリスク解析を手がけている。国際社会をリードする米国など先進7カ国「G7」のような存在がなくなる「Gゼロ」の時代を予言した人物として知られ、日本の政治について、自民、公明両党による連立政権の下での安定を評価する論評を発表している。2018年に日本で開いた「GZERO(Gゼロ)サミット」では、日本経済団体連合会の中西宏明会長と共同議長を務めた。
会談で山口代表は、自公連立政権が発足して今月5日で20年となることに言及。この間、公明党が政治の安定に大きな役割を果たしてきたことに触れ、「自公連立政権は一定の成果を上げてきた」と強調し、日本の政治の現状についての認識を聞いた。
ブレマー氏は、日本の政治、社会の安定が世界でも際立っているとして「世界中の先進民主主義国家の中で、現段階で日本が最強のリーダーシップを誇っているのは間違いない」と述べた。
日本の安定の理由として、人口減少が進み「中産階級が割を食うことがない」ことや移民が少ないといった社会的構造などを挙げた上で、世界で起こっている戦争に直接的に関与していないことも一つの大きな要因だとの認識を表明。「日本が二度と戦争に関わらないということを強くバックアップしているのが公明党だ」として、平和を重視する公明党が政治の安定へ果たす役割を指摘した。
また、東日本大震災をはじめとする災害対応などを念頭に、日本は国内で起こるさまざまな問題に対する“耐性”が強いと指摘。「(諸課題に対して日本は)きちんと対処しており、“安定のモデル”であることは間違いない。そういうモデルとして、(国際社会において)日本はますます重要になっている」と述べた。
さらに、山口代表が日本が果たすべき国際的な役割を聞いたのに対し、ブレマー氏は「日本には積極的に多国間主義が広がるようにしてほしい。公明党には、そのリーダーシップを取ってもらいたい」と語った。