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2020.4.30

『励ましと連帯のメッセージ』

こんばんは。平木だいさくです。

先程、令和2年度補正予算が参議院本会議で可決・成立しました。

当初予算が成立して、わずかひと月後の補正予算。しかも今回は、閣議決定を終え、国会提出の直前に組み替えが決まるという、前例のない予算編成として大きな話題となりました。

組み替えの主役は『ひとり一律10万円』の特別定額給付金。

山口那津男代表が政治生命をかけて勝ち取った一連の経緯は、「(山口代表が)これほどの気迫をみせた記憶はない」(4月19日付 日本経済新聞)とも評されるドラマでした。

今日は各紙の報道を引用しながら、この経緯を振り返ってみたいと思います。

4月7日、政府は新型コロナウイルス感染症対策として、緊急経済対策を閣議決定。これを受けて補正予算の編成作業が始まります。新年度が始まって、わずか1週間後のことです。

残念ながら、この緊急経済対策の中に、公明党が提言した『ひとり10万円』の現金給付は入りませんでした。

与党・公明党が、提言の中で一番の目玉に据えた政策が、なぜ採用されなかったのか。

「現金給付はやっぱりインパクトがあるよね」と、安倍総理も当初は乗り気とされたこの案に対して、官邸官僚や財務省が巻き返していく様子が、4月14日付けの読売新聞に詳しく報じられています。

<以下、引用>

「一律給付しても効果がないのは、定額給付金の時に実証されています」。首相側近の今井尚哉首相補佐官は安倍に進言した。

2009年、リーマンショック後の景気対策として、国民1人あたり原則1万2000円の定額給付金を支給したが、多くが貯蓄に回ったとされ、ばらまき批判が渦巻いた。当時、首相だった麻生も、「二度と同じ失敗はしたくない」と異を唱えた。

「一律給付は支給が8月になる。限定した世帯への給付なら5月には支給できる」。こうした説明に安倍も観念し、収入が急激に減った世帯への現金給付が固まった。

ところが、これに公明党がかみついた。
「なんで1人世帯と5人世帯が同じなんだ。庶民の疑問に答えられない」。4月3日夕、温和な人柄で知られる公明党の斉藤幹事長は、議員会館に呼んだ太田(主計局長)に詰め寄った。(中略)

太田は「総理が『世帯』とおっしゃっている」と譲らなかった。(中略)
斉藤は「どうしても『世帯』で行くのなら、児童手当を臨時で1万円増額してほしい」と求め、受け入れさせるのが精一杯だった。

<引用、終わり>

緊急経済対策の決定を受けて開催された、党の政務調査会が荒れに荒れたのは言うまでもありません。

あらためて、政治は瞬間瞬間が勝負であると痛感します。

与党であれば、必ず政策が実現できる程、甘い世界ではありませんし、記事の中にもあるように、「総理がおっしゃっています」と途中で歪められることも少なくありません。

しかし同時に、「今回は負け」として終わることができないのも政治です。

事態が大きく動いたのが、4月15日でした。

政府内では、当初7都府県を対象に発令された緊急事態宣言の対象地域を、大きく拡大することが検討されていました。

結果として、翌16日、宣言は全国に拡大された訳ですが、既にこの時点で、対象地域の拡大「やむなし」といった世論が形成されていました。

「頭ではわかっていても、いざ緊急事態宣言が発令されれば、深刻な状況は想定をはるかに超えてくる。そうした時こそ、国民の苦しみや影響を、政治が敏感に受け止めなければならない」

山口代表がこうした趣旨の発言をされて間もなく、事態は急転回します。ここからは、4月19日付けの日本経済新聞の記事を追ってみましょう。

<以下、引用>

15日午前、首相官邸で安倍晋三首相と向き合った山口氏が切り出した。「政権の風通しが悪すぎませんか。与党に相談もなく何でも官邸主導で決めてしまうとか」

新型コロナウイルス対策で1人当たり10万円の給付策を示し「支持率も下がっている。国民の信頼がないと乗り切れない。これは要望や申し入れではありません。どうか政治決断してください」と迫った。

(中略)はじめは突っぱねていた首相もついに折れた。

(中略)補正予算案が国会に提出された後に与党から予算の組み替えを要求すれば、野党が提出する内閣不信任案に賛成するのに等しい倒閣の意味合いを持つ。ぎりぎりのタイミングだった。

<引用、終わり>

現在、『人との接触を8割減らす』取り組みを全国に拡大する中で、国民生活には深刻な影響が広がっています。

今回の補正予算に盛り込まれた『ひとり一律10万円』の特別定額給付金は、「日本全国が一丸となって、この国難を乗り越えようという“連帯”のメッセージ」を込めた生活支援策です。

一人ひとりの状況が違う中で、全ての方に、自由に使って頂くのが、この給付金の趣旨です。

今は必要ない方でも、“タンスの中に入れておく”ことで、今後に対する不安がひとかけらでも取り除けるのであれば、これ以上の使い途はありません。

その意味では、当初案にあった、減収世帯に限った30万円の給付とは、そもそもの趣旨が異なります。

一部野党からは、こちらも同時にやるべきとの声もありましたが、当初案のまま実行すれば、本来支援を届けたい人の所に届かない、また明らかに不公平な給付が行われてしまうなど、問題点が多かったことから、今回は見送りとなりました。

今なお、状況は時々刻々と変化しており、感染収束の目処はたっていません。

まず重要なことは、スピード感をもって、特別定額給付金をお届けすること。

その上で、真にお困りの方への追加支援策も含めて、いつでも二の矢、三の矢を放てるよう、党内では既に様々な検討が進んでいます。

先の見えない、不安定な時代の光明となれるよう、これからも全力を尽くしてまいります。