通常国会閉幕 コロナ禍から国民守り抜く
第201通常国会は17日、150日間の会期を終えて閉幕した。公明党は17日午前、衆院第2議員会館で衆参両院議員総会を開き、山口那津男代表、斉藤鉄夫幹事長は、通常国会の取り組みを振り返り、新型コロナウイルスへの対応として、2度にわたる2020年度補正予算を成立させるなど、コロナ禍から国民生活を守り抜くために力を尽くしたと強調。その上で「閉会後も感染拡大『第2波』への備えを固めなければならない。また、『新しい生活様式』の浸透を踏まえて、経済、社会がどうあるべきかについて議論をリードしていくことが重要だ」と力説した。西田実仁参院会長、石田祝稔政務調査会長、高木陽介国会対策委員長もあいさつした。
通常国会で成立した主な法律
■改正復興庁設置法
復興庁設置期限を2031年3月末まで10年間延長
■改正道路交通法
あおり運転に対する罰則を創設
■年金制度改革法
パートなど短時間労働者への厚生年金適用拡大
■社会福祉法等改正法
地域共生社会の実現へ市区町村の相談体制を強化
■雇用保険法等改正法
70歳までの就業機会の確保を企業の努力義務に
■中小企業成長促進法
経営者の個人保証を不要にし、事業承継を円滑化
山口代表は、新型コロナ対策を盛り込んだ二つの補正予算について、「現場の実情を踏まえ、新型コロナの影響で傷む人々の生活や事業の現場に対応する施策を党として提言し、具体的に盛り込むことができた」と強調。1人一律10万円の特別定額給付金や中小企業向け持続化給付金、家賃支援など補正予算に盛り込まれた政策が「スピーディーに確実に届き、効果を発揮するようフォローアップしていきたい」と語った。
公明党の提案で設置された政府の専門家会議については、「提言は、さまざまな教訓を示唆しており、これからの対応に生かせる貴重な内容が盛り込まれている」と力説。今後の取り組みとして「専門家会議の役割を注視しながら、医療の面だけでなく、もっと広い観点から新型コロナ対応に関する検証作業が必要だ」と訴えた。
このほか、通常国会の成果として、公明党が推進してきた人生100年時代を見据えた働き方改革や、復興庁を10年延長するための法改正など数多くの政府提出法案や条約が成立したことを挙げた。
陸上配備型迎撃ミサイルシステム「イージス・アショア」の配備手続きを停止するとした防衛省の発表に対しては「日本のミサイル防衛の仕組みをどう立て直すのか政府として国民に明示し、なぜ、こうした事態に至ったのか説明する必要がある」と指摘した。
昨年7月の参院選を巡って河井克行前法相と妻の案里参院議員に公職選挙法違反の疑いが出ていることに関しては、「案里氏の秘書に有罪判決が出され、極めて由々しきことだ。当事者である河井夫妻が、きちんと説明責任を果たすべきだ」と述べた。
一方、斉藤幹事長は、新型コロナの感染拡大に伴い、公明議員が受けた5月の市民相談件数が大幅に増加した結果に触れ、「多くの人が悩み苦しんでいる証拠だ。『大衆とともに』の立党精神に基づき、悩みを聴いて政策立案を行う。そうした国民に寄り添う姿勢に徹していきたい」と力説。さらに、“コロナ後”の新しい社会を模索し、経済や防災・減災、医療・介護、教育のあり方など多岐にわたる課題に対し「公明党が先陣を切って提言していきたい」との考えを示した。
石田政調会長は、7月の経済財政運営と改革の基本方針(骨太の方針)策定で「新しい日本の姿を示せるかが大事だ。しっかり政策を練り上げ、政府に提言していきたい」と述べた。