『「風化」と戦う東北の今』
こんにちは。平木だいさくです。
通常国会が開幕しました。昨年末の臨時国会と違い、6月22日までの150日間と長丁場。終わる頃には、今年も折り返しを迎えることになります。
体調管理に留意しながら、年末年始に各地で頂いた激励を胸に、青年らしく、果敢に論戦に挑んで参ります!
金曜日には施政方針演説が行われましたが、安倍総理が最初に言及したテーマが、東北の復興についてでした。
「3月末までに、岩手と宮城でがれきの処理が終了します」
「1年半前、見通しすらなかった高台移転や災害公営住宅の建設は、6割を超える事業がスタートしました」
「来年3月までに、200地区に及ぶ高台移転と1万戸を超える住宅の工事が完了する見込みです」
政権交代を経て、ようやく東北の復興が前進をし始めました。
大変嬉しいことではありますが、最近、復興庁から復旧事業の状況を伺うたびに、気になることがありました。進捗報告書が“きれいすぎる”のです。
報告書には、進捗率の数字や円グラフなどが整然と並び、まるで私が経営コンサルタントの時に作っていたプレゼン資料のようです。
しかし、状況が数字ばかりで語られるようになったら要注意。担当者は、現場を見ないで、あがってきた数字をまとめただけではないかなと思うことが増えました。
震災から3年が経とうとしている今、大きな課題の一つが「風化」との戦いです。時間が経つにつれ、私たちのもとに届く被災地の情報はどんどん減ってきています。
現場に足を運ぶ人も大きく減りました。震災の年の5月には、延べ18万人を超えた岩手、宮城、福島の3県におけるボランティア活動者数は、昨年の9月には1万2600人となりました。
がれきの片付けや泥かきのような、人海戦術を必要とするボランティア活動のニーズが減ってきたことが大きいのですが、現地の実情が伝わりにくくなったことに変わりはありません。
そこで先週の月曜日、長い国会が始まる前に、もう一度被災地に足を運び、今の状況を自分の目で確認しておきたいと思い、宮城県南部の名取市、岩沼市、亘理町、山元町を一日かけて歩きました。
短時間の訪問でしたが、市議、町議の先輩方にご案内頂き、被災地の「今」を垣間みることのできた貴重な一日となりました。
発災当時とは、そこに暮らす人々の感情も、環境も、必要な支援体制も大きく変わっています。隣接した市町村の間でも、復興事業の進捗に差が目立つようになってきました。
当初描いた事業計画に固執し、その進捗率管理ばかりやるようになっては、地元の方々の思いと、かけ離れた復興にもなりかねません。
これからもしっかりと被災地に足を運び、今国会でも、地元の皆様の気持ちに寄り添った政策提言をおこないたいと思います。