『「東北モデル」の創出へ向けて』
こんにちは。平木だいさくです。
東日本大震災から、間もなく3年を迎えようとしています。
公明党はこれまで、復興に向けた3次にわたる提言を行い、被災地の課題解決に力を尽くしてきました。
道路や鉄道などのインフラ整備、がれき処理では一定の成果を見ることもできました。
いよいよこれからは、住宅、まちづくり、そして生業の再建が本格化します。
被災者に希望を与えるような、「目に見える」成果と復興の「実感」がこれまで以上に求められます。
誰がやらずとも、東北の復興は断じて我々公明党がやる!との思いで、私も一層力を尽くして参ります。
さて、この復興への取組みは、単なる復旧に終わらせず、より大きく成長するための契機にしなければいけない訳ですが、『日経ビジネス』最新号に、米国・ニューオーリンズでの興味深い事例が紹介されています。
この街は、2005年8月に米国南東部を襲ったハリケーン・カトリーナによって市面積の8割が冠水。全米の死者1330人、被害額14.7兆円の大半を占める壊滅的な被害が発生しました。
ニューオーリンズは、被災前から人口の高齢化に直面。住民の約2割が貧困層で、治安も悪く、当初再建は不可能とまで言われていました。
ところが、2011年の調査において、全米で「人材を引きつける地域」で1位、「就職に最適な大都市」で2位を獲得するまでに回復。
人口は被災後に4割減少したものの、1人あたりの所得は38%伸び、失業率や貧困率も全米平均を下回っています。つまり、大災害を機に都市としての活力を取り戻したのです。
その理由は、復興の過程において、最優先で被災地に「人が集まる」仕組みを、官民共同で作り上げたことにあります。
具体的には、ニューオーリンズを拠点に活動する新興企業にフォーカスし、資金援助のみならず、弁護士や会計士といった専門家によるアドバイスなど、各層からの支援体制を整備。
次にグーグルといった大企業や、世界中の大学も巻き込み、支援の輪が一気に拡大しました。
政府も、IT企業に対して税制面で優遇するなど、思い切った支援策を実施。結果、意欲と能力のある全米の若者が集まるようになりました。
実は日本にも、同様の変化の兆しは現れています。
ボランティア活動の定着に加え、被災地での起業や、NPO立ち上げのために、東北に流入する人たちがいるのです。
こうした変化の芽を見逃さず、タイムリーな支援を通じて、より大きな流れを作りだすためにも、私もまた被災地に足を運び、その現実と向き合い続けようと思います。
震災によって立ち現れた、極端な少子高齢化、単身高齢者世帯の急増、肥満児増加などの事態は、ある意味日本の将来の課題を先取りしたものと言えます。
であるならば、新たに立ち上がった人たちとともに、東北の復興に取り組むことは、いずれ日本全体の課題解決にも繋がるはずです。
「東北モデル」の創出が、未来の日本を救う。
今日よりまた、新たな一歩を踏み出して参ります。