2015.9.16
憲法9条の精神貫く
参院平和安全法制特別委員会は16日、横浜市で地方公聴会を開き、公明党の平木大作氏が法整備の必要性について公述人から見解を聞いた。
東京財団上席研究員の渡部恒雄氏(与党推薦)は意見陳述で、現実と乖離した極端な議論が「民主的な安全保障政策の形成を損ねて周辺国にも不要な警戒を与え、日本の安全保障に良い結果をもたらさない」と指摘。安保環境が変化する中、今の法体系が現在の国際情勢に対応しきれておらず、法案が「自国をより確実に防衛し、東アジア地域や世界の安定へ行うべきことを法的に担保するものだ」と訴えた。
さらに法制が「専守防衛の憲法9条の精神を変えるものではない」と主張。さまざまな事態に「対処できるように(準備)することが、世界や後世に対する責任だ」と強調した。
質疑では平木氏が、自衛の措置の新3要件が「あいまい」との指摘がある点について質問。渡部氏は適切な防衛行動と歯止めのバランスの重要性を主張した上で、日本には憲法9条があり「(歯止めが)厳しめに作ってあるのではないか。逆に言えば心配する要件ではない。これ以上厳しくすると適切な防衛ができず、かえって危ない」と指摘した。
平木氏が「法整備は周辺国を刺激する」との懸念払拭に向けた方策を聞いたのに対し、渡部氏は心配を持つような国々とのコミュニケーションなど外交努力を進めることが重要との認識を示した。(2015/09/17公明新聞)