台風豪雨被害に対する緊急要望
「激甚災害」指定で支援手厚く
北海道、東北など現地調査
農林水産業への対策急務
公明党「平成28年8月台風災害対策本部」の本部長として井上義久幹事長は14日、首相官邸で菅義偉官房長官と会い、相次いだ台風災害に対して党が各地で実施した現地調査に基づく緊急要望を行った。同対策本部の佐藤英道副本部長(衆院議員)と若松謙維事務局長(参院議員)、党復興・防災部会の赤羽一嘉部会長(衆院議員)のほか、真山祐一衆院議員、平木大作参院議員が参加した。
冒頭、井上幹事長は、今夏の台風によって北海道と東北を中心に各地で甚大な被害が発生していることに対し、被災直後から党の国会議員を被災地に派遣して現地の地方議員と連携し、被害状況や現場のニーズ(要望)を調査してきたことを報告。
また、台風による一連の豪雨被害に関して、安倍晋三首相が同日、被災自治体の復旧事業で国の補助率を上げる激甚災害指定を16日に閣議決定すると表明したことを踏まえ、「(公明党が求めている)一連の台風被害を『一つの災害』として捉える考え方がなされ、非常に安心している。迅速な対応がされて良かった」と語った。
その上で、緊急要望では、被災者支援として総力を挙げて行方不明者の救出・救助に万全を尽くすとともに、孤立地域の早期解消を要請。また、いまだに避難所生活を強いられている被災者が大勢いることも踏まえ、生活環境を整えるとともに、避難者の健康管理や心のケアを行うための体制整備の必要性を訴えた。併せて、全壊・半壊、床上・床下浸水などの住宅被害に対しては、被災者のニーズに即したきめ細かな支援が実施されるよう求めた。
席上、参加議員からは「東日本大震災からの復興途上で再び被災した事業者も多い」として、早期の事業再開・継続に向けた支援策や、収入の途絶えた農林水産業者への税金の減免措置などの要望が出た。
特に、北海道では1万ヘクタール以上の農地被害が確認されていることに触れ、「土壌が露出して、次の作付け計画の見通しが立たない状況だ」(佐藤副本部長)と強調。岩手県でも10月のサケ・マスのふ化事業を目前にして、「ふ化場が壊滅的な被害に遭い、事業を継続するために早急な支援が必要」(若松事務局長)と指摘するなど、深刻な被害を受けた農林水産業に対する手厚い支援策を訴えた。
このほか、道路や橋などのインフラ復旧や断水への対応を急ぐとともに、北海道で寸断されている鉄道網復旧に向けた支援などについて意見を交わした。
菅官房長官は、「必要なことは全てやっていく」と答え、今後も具体的な支援策の提案に応じていく考えを示した。
(2016/09/15公明新聞)