キューバ ディアスカネル国家評議会第1副議長と会談
日キューバ新時代へ
投資呼び込み経済改革 副議長
発展の基盤づくり支援 山口代表
党訪問団
キューバを訪問している公明党の山口那津男代表は6日午前(日本時間7日未明)、ミゲル・ディアスカネル国家評議会第1副議長とハバナで会談した。党中南米訪問団の遠山清彦副団長(衆院議員)、平木大作秘書長(参院議員)が同席した。ディアスカネル氏は現在56歳で、議会が選出する集団指導機関「国家評議会」と行政府に当たる「閣僚評議会」の第1副議長を兼務。国家元首のラウル・カストロ国家評議会議長に次ぐ立場にあり、次代のキューバを担う政治指導者とされている。
席上、ディアスカネル第1副議長は、公明党の訪問団を歓迎し、「2国間関係をさらに緊密化し発展させていくことは重要だ。これを契機に、政党間交流もさらに進めていきたい」と強調。幅広い分野で関係を強化する意向を示した。山口代表は、キューバ側の歓迎に謝意を表明。日本とキューバの関係について、要人の往来が活発化している現状を踏まえ、「次の時代に向かって新しい両国関係の発展への扉が開かれるよう望んでいる」と述べ、若い世代も含めた関係の強化を図る考えを示した。
また、ディアスカネル第1副議長は、今年5~6月の訪日の際に広島を訪れたことについて、「世界平和をめざす中での広島の重要性を理解できた。原爆投下は決して繰り返されてはならない」と語った。山口代表は「広島訪問に感謝したい。日本は唯一の被爆国であり、国民が核廃絶を望んでいることを理解していただいたと思う」と応じた。
キューバ経済の発展に向けて、ディアスカネル第1副議長は、社会主義体制を維持しつつ、個人所有の容認など市場経済を取り入れる改革に取り組んでいることに言及し、「外国の投資を誘致したいので日本企業も参加してほしい」と強調。インフラ整備、観光、バイオ技術、再生可能エネルギーなどの分野で日本との連携に意欲を示した。
山口代表は「両国の経済関係の発展には大きな可能性がある」との認識を表明。日本企業が進出しやすくなるよう、ビジネス環境の改善や投資への障壁をなくすための「投資協定」締結の必要性を指摘した。
さらに山口代表は、キューバの経済発展の基盤づくりを進める観点から、日本政府による無償資金協力を積極的に推進するとし、現在、調整・検討中の医療機器や農業機械の供与に加え、公明党としてごみの収集車両の供与をめざす考えを強調。キューバへの援助拡大に向けて、国際協力機構(JICA)の事務所開設や職員常駐の早期実現の必要性を力説した。ディアスカネル第1副議長は、山口代表の考えに賛意を示し、「日本のさまざまな支援に感謝している」と述べた。
一方、山口代表は、キューバが北朝鮮と良好な関係にあることを踏まえ、北朝鮮による弾道ミサイル・核開発の問題や拉致問題の解決へ、協力を要請した。
また、ディアスカネル第1副議長は、昨年実現した米国との国交回復に関して、「国交は回復したが、関係の正常化はまだだ」と強調。正常化には、米国の経済制裁の解除などが必要だと力説し、日本が国連で米国による対キューバ経済制裁を非難する決議に賛成したことに謝意を表明した。
グティエレス友好議連会長と懇談も
なお、山口代表らは6日、ハバナで、キューバ・日本友好議員連盟のカルロス・グティエレス会長(閣僚評議会直属の医薬品関連企業グループ「ビオ・クーバ・ファルマ」総裁)と会談し、議員間交流の推進を確認するとともに、日本をはじめ世界の外国企業と連携して新薬開発に取り組んでいる現状などを聞いた。キューバ共産党のカリダ・ディエゴ宗教局長とも懇談した。
(2016/09/08公明新聞)