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2020.2.1

『地球最後の時まで残り100秒!?』

こんにちは。平木だいさくです。

今週、参議院本会議で2019年度補正予算を可決・成立させることができました。

ポイント解説は公明新聞に譲りたいと思いますが、ここまでの国会論戦を通じて気づいたことがあります。

もちろん、“桜一色”といったことではありません。(多いのは事実ですが…)

気候変動や自然災害、感染症といった、地球規模のテーマの登場が、例年に比べて明らかに多いのです。

例えば、今大きな話題となっている新型コロナウイルスによる肺炎。

こうした新種の感染症は、恐らく太古の昔から繰り返し発生してきたはずですが、人類がこれだけ移動するようになったことで、もはや局地的な現象として片付けることはできなくなりました。

まして気候変動に国境が関係ないことは、言うまでもありません。

国会論戦においても、ますますグローバルな視点や国際社会との連携が問われる時代に入りました。

そして、そんな予算審議の最中に、ちょっと気になるニュースを目にしました。

皆さんは、『終末時計』という言葉を聞いたことがありますか?

人類の滅亡を午前0時になぞらえ、現在の地球がその何分前にあるのかを象徴的に示す時計です。

先日発表された、地球最後の時までに残された時間は、たったの「100秒」。

冷戦下に核開発競争が最も厳しくなった1953年でさえ「2分」とされ、ここ最近では、昨年、一昨年も同様の水準とされてきましたが、遂に最短記録を更新してしまいました。

時計の針を大きく進めた要因こそ、気候変動などと並んで、地球の命運を握る大問題である、核を巡る情勢です。

思い起こせば、現職の米国大統領として初めて、オバマ大統領が広島を訪れ、平和への祈りを捧げた、あの感動的な場面から、まだ3年9か月しか経っていません。

広島、長崎の想いがカタチになった。
ヒバクシャの声が届いた。

私たちはそんな思いを胸に、世界は、核兵器のない世界に向けて、大きな一歩を踏み出すと希望を抱きました。

しかし現実には、緊迫化する安全保障環境とも相まって、核を巡る情勢はむしろ過去最悪とも言える状況に陥っています。

米ロを中心とした核兵器国は核の小型化と近代化に邁進し、昨年8月にはINF(中距離核戦力全廃条約)が失効。

イランを巡る核合意が崩れる中、北朝鮮の非核化についても具体的な進展が見られないままです。

厳しい状況を列挙すればきりがありませんが、前述の終末時計が指し示すように、私たちに下を向いている時間はありません。

核兵器国と非核兵器国が互いに不信感を募らせ、同じ議論のテーブルにつくことすら難しい今日にあって、核軍縮を具体的に進めようと思えば、やはり世界に核廃絶に向けた世論の大波を起こしていくことが欠かせません。

そして、私が確信するのは、核の実相を知ることなしに、立場の異なる両者の間に橋をかけることはできないということです。

改めて、唯一の被爆国である日本の果たすべき役割は、果てしなく大きいと言えます。

先日、中米における核廃絶のオピニオンリーダーであるキューバ共和国から、ラミレス次期駐日大使をお迎えして、懇談する機会がありました。

国を挙げて非核化の旗をふるキューバで、最初の一歩を踏み出したのは、若きチェ・ゲバラでした。

1959年、キューバ革命がなったその年に来日したゲバラは、広島を訪問し、核の実相に触れて大きく心を動かされます。

キューバに帰国した後も、会う人会う人に核の非人道性を語り、革命の同志であったフィデル・カストロに広島訪問を強く勧めたそうです。

2003年、亡きゲバラとの約束を守り、フィデル・カストロ議長は広島を訪問。

そしてカストロ亡き今も、キューバは核廃絶の旗を降ろしていません。

若者が立ち上がった時に、世界は変わる。

『終末時計』の針を押し戻すことができるのも、若い世代の力に他なりません。

ノーベル平和賞を受賞したICANが、若者を中心とした連帯から始まったことも、この事を裏打ちしています。

公明党では現在、核廃絶推進委員会の会合は全て、青年委員会との共催で行うこととし、若い力で、核なき世界に向けた挑戦を開始しました。

世界各地で活躍する次世代のリーダー、若き政治家に会った際、広島、長崎への訪問を呼びかける取り組みも、少しずつではありますが、手応えを感じています。

本年4月には、NPT(核不拡散条約)運用検討会合がニューヨークで行われます。

成果文書に合意できなかった5年前と比べても、厳しい状況にあることは間違いありませんが、日本が対立する各国の間に橋を架け、合意形成に大きな力を発揮できるよう、与党として全力で応援していきたいと思います。