2023.9.5
年収の壁、意識せず働く環境を 党PTが厚労相に提言
事務局長を務める公明党「年収の壁プロジェクトチーム」(PT、座長=西田実仁参院会長)で、厚生労働省で加藤勝信厚労相に対し、一定の年収を超えると社会保険料や税負担が発生して働き控えが生じる「年収の壁」を意識せず働ける環境の整備に向け、「支援強化パッケージ」の早期策定・実行や、使い勝手の良い新たな助成金制度の創設などを提言しました。加藤厚労相は「しっかり検討する」と応じました。
年収の壁を巡っては、所得税が生じる「103万円の壁」は税制上の対応で解消していますが、配偶者がいる女性パートタイム労働者のうち約2割は就業調整をしており、年末などの繁忙期に企業が働き手を確保できないという課題が生じています。
提言では、10月からの最低賃金引き上げを踏まえ、年末に就業調整がされないよう、環境を早急に整備するために必要な予算の十分な確保を要請。企業規模によっては被用者の社会保険料負担が生じる「106万円の壁」を超えても手取り収入が逆転しないように、労働時間の延長や賃上げに取り組む全ての事業主に対する「支援強化パッケージ」を9月中に策定し、10月から適用することを求めました。
また、106万円の壁の解消に取り組む企業を支援するため、政府が表明した新たな助成金制度の創設に当たっては、業種や規模などにかかわらず、利用できるようにするとともに、利用人数制限を設けないことや申請手続きの簡素化を要望しました。
提言の取りまとめに当たって公明党は、今年4月にPTを設置。各団体や有識者から、スーパーマーケットやチェーンストアの深刻な人手不足など、現場の課題について聞き取りを行ってきました。