全国県代表協議会を開催 結党60年“衆望”に応える
公明党は10日午後、東京都新宿区の公明会館で全国県代表協議会を開き、結党60年の節目を刻む今年11月17日の結党記念日をめざし決意を新たに出発した。山口那津男代表は、結党60年を迎えるに当たり「全議員がいま一度、結党の原点に立ち返り、生まれ変わった決意で公明党の『第二の船出』を期したい。新たな決意で党勢拡大にまい進し、強く、躍動する党を築こう」と呼び掛けた。また、自民党派閥の政治資金問題で失墜した政治への信頼を取り戻すため政治改革を断行するとともに、能登半島地震からの一日も早い復旧・復興へ党の総力を挙げて取り組むと強調した。
山口代表は、60年前に庶民の願いや期待、すなわち“衆望”を担って誕生した公明党の原点に触れ、「公明党の歴史は、政治を庶民の手に取り戻し、『中道主義』、つまり、<生命・生活・生存>を最大に尊重する『人間主義』の理念を政治の中心軸に据える『改革』への歩みだ」と強調。また「『大衆とともに』との立党精神を不断に実践し、一人の声を政策として結実させていく闘いの連続でもあった」と語った。
特に、25年前に公明党が自民党との連立政権に参加した後は「改革が国民の支持を得て、政治の安定をもたらし、さらなる改革を可能にする『安定と改革の好循環』につながってきた。連立政権に公明党がいることが国民生活に安心感を広げている」と語った。
その上で、今は物価高や少子化、ロシアによるウクライナ侵略、中東のガザを巡る紛争など国内外で重要課題が山積していることから「この難局から国民生活と国益を守る上で、何よりも求められるのは、政治の安定だ。公明党は、必ずや政治の信頼回復を成し遂げ、政治の安定と改革のリーダーシップを発揮して、日本の明るい未来を切り開いていく」と訴えた。
能登半島地震への対応では、「明日への見通しが見えない不安と闘い、苦悩する被災者に手を差し伸べ、心に希望の灯をともしていく」と強調。公明党の議員ネットワークの力で、被災者の生活、なりわい再建へ総力を挙げると力説した。
政治改革に向けては、今回の政治資金問題を引き起こした自民党の自浄能力が問われていると指摘し、「再発防止に向けた自民党の制度改革の具体案を早急に示すことを強く望む」と要望。公明党が「政治改革ビジョン」で掲げた政治資金の収支の透明性と罰則の強化へ「政治資金規正法の改正を断じて成し遂げたい。そのための与野党協議と幅広い合意形成をリードしていく」と訴えた。
一方、会合参加者との質疑で石井啓一幹事長は、政治資金問題への公明党の対応について「自民党と厳しく対峙している」と報告。「衆院で過半数を持つ自民党が賛成しないと法改正は実現しない。自民党と野党の橋渡しをするのは公明党しかない」と力説した。