『リレーをつないだ先に』
こんにちは。平木だいさくです。
今週は、ノーベル物理学賞を3人の「日本人」研究者が独占するという、嬉しいニュースが飛び込んできました。
受賞理由は、青色LED(発光ダイオード)の発明。
どんなものかイメージがわかないという人でも、省エネタイプの照明や、西日があたっても見やすい信号機に使われている技術と聞けば、納得ですよね。
ノーベル賞では、受賞理由となった業績に対して、特に貢献の高かった人物を称えるため、最大で3人までの同時受賞が認められています。
青色LEDは、師弟関係にある赤崎勇氏と天野浩氏が初めて作成に成功し、中村修二氏が量産技術を確立することで、世界を明るく照らす技術として、日の目を見ました。
いわば、3人の息の合った「リレー」によって成し遂げられた偉業。
あらためて喝采を送るとともに、今後もこうした優れた研究によって、日本が世界の発展に貢献できるよう、科学技術環境の整備を支援していきたいと思います。
さて、臨時国会の召集から2週間が経ちました。
総理の所信表明演説、衆参両院での代表質問、予算委員会までが終わり、来週からはいよいよ各委員会に分かれての議論がスタートします。
私も今、委員会質疑に向けた準備のまっただ中なのですが、実は国会においても、うまく質問のバトンを「リレー」できるかどうかが、政策を実現するうえで大切になります。
一例をご紹介します。
今国会、参議院本会議において、公明党から最初の質問に立ったのは山口代表でした。
山口代表は、国政における重要課題を議論する中で、増加傾向にあるストーカー問題に言及し、政府の具体的な取り組みを問いました。
安倍総理の答弁は、「対策強化が不可欠である。(中略)被害者支援の取り組みや加害者の再犯防止対策等の具体的な対策を取りまとめ、政府を挙げて取り組む」というものでした。
とても前向きな答弁ですが、政府から具体策が出るまで、黙って待っている公明党ではありません。
6日後に行われた予算委員会。今度は、佐々木さやか議員が、この問題について、具体策を提案しながら、あらためて政府の取り組みを問いただしました。
これに対して総理は、「被害者の負担を軽減するためのワンストップ支援センターの開設」などに取り組むとし、一歩踏み込んだ答弁を勝ち取ることができました。
来週から始まる各種委員会では、こうした議論を踏まえて、いつまでに、どうやって実現するのかなど、更に精緻な議論を進めていくことになります。
このように、大きな方針、具体策、詳細な制度設計と、「リレー」のバトンをつなぐように議論を積み重ねながら、政策は実現されます。
つまり、問われるのは、個人としての力はもとより、チームとして、政党としての総合力。今国会も団結第一で、公明党らしい政策を、どんどん実現していきたいと思います!
最後に一点、補足です。
冒頭で、ノーベル物理学賞を“3人の「日本人」が独占”と書いたのですが、実はこの部分は間違っている可能性があります。
報道によると、受賞者の一人である中村修二氏が米国籍を取得したため、現時点で「日本人」としてよいのか議論があるためです。
業績の偉大さに国籍は関係ありませんが、忘れてはならないのは、中村氏が研究拠点を米国に移す際に言った次の一言。
「こんな国では、もう仕事なんてできませんよ」
自分の成し遂げた仕事が正当に評価されないことに不満を抱き、怒りを抱えたまま、中村氏は日本を去りました。
どうしたら未来のノーベル賞受賞者に、日本に来て、とどまって、活躍して貰えるのか。私たち政治家は、単に喜ぶばかりでなく、これを機に真剣に考える必要があります。