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2014.12.6

『身を切る改革は何処に(前編)』

こんにちは。平木だいさくです。

10年ほど前からでしょうか。12月に入ると、いたる所で色とりどりのライトアップが私たちの目を楽しませてくれるようになりました。

街には、早くもお買い物にいそしむ方たちや、忘年会と思しき一団も。

日々、新しい年へのカウントダウンを感じるとともに、師走の総選挙も残すところ1週間となりました。

ここからは時間との勝負。残り1週間、悔いなく党勢拡大に走り回りたいと思います。

さて、今日のテーマは「身を切る改革」。

衆議院の定数削減については、メディアでも随分と取り上げられているようです。

解散前の衆議院の定数は480。今回の選挙に際して、1票の格差を是正するための「0増5減」措置が取られたため、改選後は475議席となります。

つまり、たった5議席しか減っていません。

この話題で真っ先に思い出すのは、2年前の2012年11月14日に行われた党首討論の光景ではないでしょうか。

民主党の野田総理大臣(当時)が、自民党の安倍総裁に、衆議院解散をかけて、定数削減を迫ったあのシーンです。

野田総理「ここで国民の皆様に約束してほしいのです。定数削減は、来年の通常国会で必ずやり遂げる。(中略)このご決断を頂くならば、私は今週末の16日に解散をしてもいいと思っております。」

こうして決まった解散総選挙だったにも関わらず、結局翌年の通常国会において、定数削減が行われることはありませんでした。

「安倍総理は嘘をついた!」「なぜ定数削減を決断しないのだ!」

野党の皆さんからは、こんな声が聞こえてきます。

マスコミの論調もだいたいこの線に沿ったものが多いようです。

でも、私は少し違う受け止め方をしています。ご説明しましょう。

民主主義に基づく日本の国会では、原則として「多数決」で物事が決します。法律をつくる場合、賛成が反対を1票でも上回れば、その法律は成立します。

ここまでは、簡単ですね。

でも、民主主義には、忘れてはならないもう一つの不文律があります。

それが「少数者の意見も尊重しなくてはならない」という原則。つまり、安易に「多数決」で決めてはいけないというルールです。

このルールが適用されるのは、主に国会運営に関する事柄です。例えば、委員会の開催日時やその議題については、基本的に全ての会派(政党)が合意して決定することになります。

そしてこの国会運営において、最も重要な事項が選挙制度と議員定数なのです。

なぜなら、多数派から見て、うるさい少数政党を黙らせる最も手っ取り早い方法は、選挙制度を自分たちに有利なやり方に変えるか、または議員定数を大幅に削減することで、少数政党の議席を減らし、消滅させることだからです。

健全な民主主義の発展を考える時、国民の多様な価値観を、国会での議論に反映させることは極めて重要です。

その意味で、多数派の横暴を許さないためにも、選挙制度改革や定数削減の議論は、慎重に進めていくことが求められているのです。

この点を踏まえて、先ほどの野田総理の投げかけに続く、安倍総裁の発言を追ってみましょう。

安倍総裁「今、私と野田さんだけで決めていいのですか。そんなはずはないのですよ。沢山の政党がいる。(中略)少数政党にとって極めて不利になる、比例議員を一方的に減らすことは、問題があるからちゃんと議論しようと言っているのです。」

「まるで民主党と自民党がこの民主主義の土俵を全て決めていいと言っている。社民党だって、共産党だって、この党首討論に出られない政党が沢山ある。」

私は、野田総理の心意気は良しとしますが、テレビで中継される党首討論の場で、与野党の第一党だけで、定数削減を決めようとした姿勢は、極めて不適切だったと考えています。

そもそも、民主党は衆議院の「定数80削減」を公約に掲げて、2009年に政権についた政党です。

自分たちが政権の座にあった3年3ヶ月の間に1議席も削減できなかったことを棚に上げて、政権交代後の2年間で削減できないことを非難するのは、筋違いな話です。

もうおわかりだと思いますが、要するに、国会の定数削減は、時の総理大臣の一存で決めるものではないということです。

では、今後の定数削減は一体どうなるのでしょう。続きは次のブログに譲りたいと思います。