『今こそ、平和について議論しよう』
こんにちは。平木だいさくです。
今週、世界の平和と安定にとって、極めて重要な合意がなされました。
国会における採決の話ではありません。
イランの核開発問題について話し合ってきた6カ国協議が、最終合意に達したのです。
今後は、イランの核開発を制限する見返りに、経済制裁を解除し、国際社会への復帰を促していくことになります。
合意がきちんと履行されるのかなど、まだまだ手放しで喜べる段階にはありませんが、核拡散問題の平和的な解決と中東地域の安定化に向けて大きな前進と評価したいと思います。
冒頭、「世界の」平和と安定にとって重要な合意と述べましたが、もちろん「日本の」平和にとっても極めて重要な問題です。
まず何より、唯一の被爆国として、核廃絶の議論をリードすべき立場にある日本にとって、現在の核不拡散体制を堅持することができたということ。
加えて、イランは日本に原油を運ぶタンカーの実に8割が通過する、今話題のホルムズ海峡をオマーンとともに構成する国であることです。
私には、ホルムズ海峡に機雷が敷設される可能性は、限りなくゼロに近いとしか思えませんが、万に一つのシナリオが、孤立して自暴自棄になったイランがばらまくというもの。
遠く離れたイランの問題が、日本の平和と安全にとっても重要な意味を持つことがおわかりいただけたかと思います。
しかし残念なことに、この最終合意について、日本ではほとんど話題になっていません。
連日、ホルムズ海峡のリスクが論じられているにも関わらず、その場所で今実際に起きていることに関心が向かない“内向きな”議論に、視野の狭さを感じるのは私だけではないと思います。
歴代6位の116時間を費やした『平和安全法制』関連法案が衆議院を通過し、いよいよ議論の舞台は参議院に移ります。
これだけ時間をかけたにも関わらず国民の理解が追いつかないのは、野党第一党である民主党が、センセーショナルなレッテル貼りの質疑に終始したことが大きいと思います。
法案と全く関係のない「戦争できる国になる」「徴兵制が始まる」といった表現を連呼したところで、安全保障の問題に関して、国民の理解が深まることはありません。
質疑時間の9割を要求しながら、政局に持ち込もうと時間をいたずらに浪費した議論の進め方は、無責任のそしりを免れません。
日本の平和と安全に関する議論に、与党も野党もないはずです。
日本を取り巻く安全保障環境が厳しさを増しているという認識を共有する以上、きちんと対案を示し、真摯で建設的な議論に取り組むよう、強く求めたいと思います。
与党にとっても、これから正念場を迎えます。
参議院では、与野党の時間配分や質疑のテーマ設定に工夫をこらして、少しでも皆様の理解が深まるよう、全力を尽くして参ります。