『世論調査から何を読み解くか』
こんにちは。平木だいさくです。
平成28年熊本地震の発生から10日間が経過しました。
わかっているだけで、48名の尊い命が奪われ、重軽傷あわせて1,200人を超す方たちが怪我をされた大災害。
これまで救助や復旧作業に駆け回って下さった警察、消防、自衛隊、海上保安庁や地方自治体など行政の皆さま、ボランティアに手を上げて下さった皆さま、そして募金にご協力頂いた皆さまなど、各地でご尽力頂いた全ての方がたに、心からお礼申し上げます。
被災者の皆さまにも、避難生活による疲労の影響が出始める時期です。
支援のステージが、救命・救助から徐々に生活の再建へと移っていく中で、多様な現場のニーズをきちんと把握し、迅速に手を打っていけるよう、引き続き全力を尽くしたいと思います。
さて、本日は今月9日に発表された、内閣府による『社会意識に関する世論調査』についてご紹介したいと思います。
この調査は、昭和43年度から毎年実施されているもので、全国の二十歳以上の男女1万人を対象に、個別面接方式で行われているものです。
報道機関が独自で行う世論調査に比べて、サンプル数、調査方法ともに充実した、信頼性の高い調査であるのが特徴です。
翌10日付けの朝刊が、この結果を報じたのですが、各紙の『見出し』がなかなか奮っていました。
・「社会に満足」過去最高62%(読売新聞)
・外交・防衛「良い」最高 安保法成立など評価(産経新聞)
・景気・財政、根強い懸念(東京新聞)
・「景気、悪化している」25.9%(朝日新聞)
同じ調査結果を取り上げながら、これだけ違う書きぶりになることに、驚いた方も多いのではないでしょうか。
詳細な調査結果と照らし合わせればわかるのですが、各紙とも、事実をわい曲したり、捻じ曲げたりしていないのは当然のことです。
問題は、その報じ方が、調査結果を余すところなく伝えるというより、自社の主張をサポートする形で、都合のよい部分だけつまみ食いしてしまっているところにあります。
新聞を読む際には、こうした点に十分留意して、なるべく複数のものを比較しながら読むほうがよいことが、この一例からもわかると思います。
そして、本題の政治です。
国会論戦の中で、今回の内閣府の調査は、一体どのように論じられているでしょうか。
残念なことに、今度は報道の中から、都合のよい部分だけつまみ食いして、「アベノミクスは失敗!」「いや、成功!」といった議論に終始してしまっています。
これでは、せっかく手間暇かけて行った調査が水の泡です。
今回の調査結果における一番のポイントは、私が与党の一員であることをひいき目に見ても、民主党政権時代と比べて、社会全体の満足度が大幅に上昇した点にあるのは間違いありません。
そして大切なことは、ことさらこの上昇部分をあげつらうのではなく、数字に隠された「不満足」な民意がないか、きちんと目を凝らして検証することです。
実は、詳細に内閣府が発表したデータを見ていくと、今回の調査でも、若年層ほど「満足度」が低いことがわかります。
そして彼らが、「満足していない点」としてあげたのが、「経済的なゆとりと見通しが持てない」「若者が社会での自立を目指しにくい」「家庭が子育てしにくい」といった具体的な声でした。
そうです。本調査において、政治家が絶対に見落としてはいけないのは、こうした若者の悲鳴にも似た声。
若い世代の政治参加を促そうとする時、最も大切なことは、彼らが声をあげれば、それがきちんと政治家にも届き、そして政策形成に反映されることを「実感」して貰うことです。
その意味で、今公明党が全国で取り組む、ボイス・アクションや青年政策懇談会の使命は大きいと言えます。
ここで伺った皆様の声は、今夏の参院選において、党の『重点政策』として採用される予定です。
政治の「実感」を届けるために、今週も街頭に立ち続けたいと思います。