予算委員会で安倍首相らに質問
参院予算委員会は9日、安倍晋三首相らが出席して安倍内閣の基本姿勢に関する集中審議を行った。公明党の平木大作氏は、中小企業の支援拠点整備のほか、福島県から避難した児童・生徒への「原発いじめ」対策、厳しさが増す北朝鮮情勢への対応を取り上げた。
日本経済の屋台骨である中小・小規模企業の支援策で、平木氏は、事業者の相談に応じて助言や支援を行う「よろず支援拠点」に言及。国が各都道府県に設置するワンストップ相談窓口として、経営改善の専門家などが「事業者の幅広い悩みに応えている」と評価した上で、よりきめ細かく相談に応じられるよう相談員の育成や増員に取り組むなど、支援拠点の機能強化につながる体制整備を積極的に進めることを求めた。
世耕弘成経済産業相は、支援拠点を活用して多くの中小企業が経営改善した実績を出す一方、地域によって体制の整備状況にバラツキがあるなど支援拠点の課題を挙げ、「全国のレベルの向上、水準の統一に取り組んでいく」と応じた。
原発いじめ問題で平木氏は、東京電力福島第1原発事故の影響などで福島県内から全国各地へ避難した児童・生徒を文部科学省が調査した結果、約200件のいじめが明らかになった点に触れ、学校現場などで被災地の理解を深める取り組みが必要だと強調。「子どもたち自身が福島を訪れ、自分の目で見て、知ってもらうことが一番の解決策」と力説し、福島県外の児童・生徒が福島で、農業体験やスポーツ交流、観光などができるよう、積極的に後押しすべきと訴えた。
吉野正芳復興相は、児童・生徒に被災地の認識を深めてもらうため、福島県内への修学旅行のバス代補助などを進めてきたと述べ、「引き続き、福島県や関係省庁と連携し、放射線や被災地の実情について、理解を広げられるよう、さまざまな取り組みを強力に推進していく」と答えた。
一方、北朝鮮の核・ミサイル問題への対応で、平木氏は「性急な軍事的行動だけは絶対に起こしてはならない」と力説し、安倍首相の見解を求めた。
安倍首相は、「北朝鮮を巡る問題を平和的、外交的に解決していくことが重要」と強調。さらに、韓国の新大統領とも「なるべく早い段階で時間を調整し、電話における首脳会談を行いたい」と語り、安全保障面の協力を進める考えを示した。(公明新聞2017/05/10)