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2019.6.8

『参院歳費は自主返納で決着』

こんにちは。平木だいさくです。

今月5日、参議院議員の歳費(給与)を国庫に自主返納するための歳費法改正案が参院本会議で可決、衆院に送付されました。

この法案は、公職選挙法で禁止されている国会議員の寄付行為を、夏の参院選から3年間に限って緩和し、国庫に自主返納できるようにするものです。

具体的には、議員一人あたり月額7万7,000円を目安に返納することで、議員定数が増えた状況下でも国民負担増を回避することを目指しています。

これは昨年の選挙制度改革の際、公明党の強い主張で附帯決議に盛り込んだ「参議院議員の定数の増加に伴い、参議院全体の経費が増大することのないよう、その節減について必要かつ十分な検討を行うこと。」という一文を受けた措置です。

「自主返納」ということで、当初自公両党で出した「歳費削減」と比べれば“一歩後退”は否めませんが、最後まで合意形成に努め、野党・国民民主党の賛成を得て法案をまとめあげたことには、大きな意味があったと思います。

そして、この期に及んでなお、通らない理屈を並べ立てて、国民負担回避の責任から逃げ回る立憲民主、共産の両党には、呆れてものが言えません。

改めて、今国会における議論の経緯を整理してみましょう。

本年2月8日、与党は独自にまとめ上げた参院歳費削減法案を国会に提出。野党に早期の議論開始を呼びかけますが、野党は審議に応じません。

委員会で審議できないことから、各党代表による協議が断続的に続きますが、野党は対案を準備することを口実に、一向に審議に応じようとはしませんでした。

そこで、与党側からは会期末までの日程を考慮して、対案を持ち寄る期限を5月の連休明けまでと伝え、各党の検討状況を見守ることとしました。

事態が動いたのは5月10日。国民民主党から、法律による削減でなく、議員が歳費の一部を自主返納できるようにするよう提案がありました。

一部の議員から、一律削減によって衆議院との間に歳費の差が生まれるのは、憲法上疑義があるとの懸念が示されたことがその理由です。

与党としても、この提案を受け入れ、最終的にそれまでの歳費削減法案を撤回して、自主返納法案として再度国会に提出することを決めました。

ただし、この段階に至っても、立憲民主、共産の両党は賛否を明言せず、結論は次の協議に持ち越すこととなりました。

5月30日、立憲民主党がようやく、対案としての衆参両院歳費削減法案を国会に提出。

6月3日、参議院議院運営委員会において、与党案、立憲民主案、そして維新提出の衆参歳費二割削減法案の三案が検討され、与党が再提出した自主返納法案が可決。

6月5日の本会議で、改めて立憲民主、維新提出の法案を否決した上で、与党案が可決し、衆議院に送付されました。

野党・国民民主党が与党案に賛成したことは前述の通りです。

さて、反対した各党のコメントが振るっています。

「自主返納でごまかす話は認められない。定数増をやめるべきだ」(立憲民主)
「定数増は認められない」(共産)
「せこい!」(維新)

立憲民主、共産は結局のところ、定数増に反対であることを理由に、歳費の自主返納に反対している訳ですが、選挙制度改革については既に昨年結論の出た話であり、理屈が通りません。

何より、院としての意思表明である附帯決議で定めた「国民負担増の回避」に向き合っていないことは明らかです。

日頃は「附帯決議の重み」を繰り返し強調しておきながら、一方で、そもそもの制度改革に反対だから尊重しないというのは、大いなる矛盾に他なりません。

また、苦し紛れに立憲民主党が出してきた衆参両院歳費削減法案は、附帯決議の趣旨に沿うものではなく、関係のない衆議院も巻き込んでいる点で、“通らないことを見越した”悪質なアピールと言えます。

この点は維新案も同じであり、歳費削減だろうが、返納だろうが、我々の二割削減に比べれば「せこい!」という主張は、いかにもこの政党らしいのですが、定数増への反対とあわせても、自主返納に反対する論拠にはなりえません。

ただし、名誉のために付け加えるならば、日本維新の会では、この主張に沿ったかたちで、所属議員の歳費二割相当分を党で集め、震災などの被災地の復興にあてている点は申し添えておきたいと思います。

そして最後に共産党。結局いつも最後まで、対案を出すことも、合意形成に汗をかくこともしないのがこの政党です。

昨年の選挙制度改革の議論においても、全く同様の指摘をしておきましたので、ご関心のある方は以下のリンク先からご参照ください。

『抜本改革の険しい道』

公明党では、参議院での法案可決を受けて、所属する全参議院議員が月額7万7,000円の自主返納を行うことを決め、先日公表致しました。

繰り返しになりますが、選挙制度に対する各党・各自の評価は別にして、院として「国民負担増の回避」を決めた以上、それに従うのは議員として当然の責務です。

参院選の公示まで、いよいよ残りひと月あまりとなりました。

今後お近くで、候補者の演説や討論を聴く機会も増えることと思います。

その際には、歳費の自主返納に取り組むつもりなのか、いくら返すのか、どのような根拠でそう考えるのか、是非問いかけて頂きたいと思います。