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2020.10.14

雇用調整助成金の特例 3月末まで延長を/党雇用・労働問題対策本部

公明党の雇用・労働問題対策本部(本部長=山本香苗参院議員)と厚生労働部会(部会長=高木美智代衆院議員)は14日、衆院第2議員会館で、雇用維持へ従業員の一時的な休業や教育訓練、人手不足の企業への出向を行い、休業手当などを支払った企業に対する雇用調整助成金(雇調金)の活用状況などについて、政府側から説明を受け議論した。観光・交通業界、一部の製造業などで雇調金が失業の防止に広く貢献している現状を踏まえ、上限額引き上げなど特例措置の期限を「12月末まで」から「来年3月末まで」に延長する必要性を改めて確認した。

観光・交通業界の雇調金の利用率
宿泊施設    79%
旅行会社    70%
貸切バス事業者 97%
乗合バス事業者 73%
タクシー事業者 81%
※8月末現在。業界団体経由で行った抽出調査などの結果を示す国交省資料より

席上、竹内譲政務調査会長は「年末年始にかけて倒産・失業が増えるのではないかと危惧している。失業者と自殺者の増加に関連性があるとの指摘もあり、政府に対して早急に手を打つよう訴えている」と強調。雇調金の特例措置が年末で終わることなく延長されるべきとの考えを示した。

国土交通省・観光庁は、観光や交通の多くの事業者が雇調金を活用していると報告。業界団体経由で実施した抽出調査などによると、貸し切りバス事業者のほとんど、宿泊施設やタクシー事業者の約8割、旅行会社や乗り合いバス事業者の約7割が活用していた。

観光庁の担当者は、「Go To トラベル」キャンペーンで観光需要が回復しつつあるものの、厳しい状況が続いていることを指摘。来夏の東京五輪・パラリンピックや訪日外国人観光客の回復など今後の“反転攻勢”を見据えると、コロナ禍での一時的な需要の消失で観光を支える人材を失わないようにすることが重要だとして「雇調金は、そのための非常に重要な要素になっている」と強調した。

経済産業省は、航空機や産業機械、繊維などの各業種で需要減への対応策として、雇調金が活用されていると説明した。農林水産省は、外食産業などに対して、需要回復策を展開するとともに、雇調金の活用支援などを実施していると述べた。

山本本部長は雇調金について、雇用維持に効果を発揮しているとの認識を示し、各業界・企業での具体的な活用状況を把握するよう政府側に要請。雇調金の特例措置の延長とともに、「もう一歩踏み込んだ対策」が必要だと述べ、政府側とも連携しながら検討する考えを表明した。(公明新聞より転載)