
「核兵器なき世界」実現へ 国際賢人会議と意見交換
公明党の斉藤鉄夫代表は1日、衆院第1議員会館で「核兵器のない世界」をめざして国内外の有識者が議論する国際賢人会議(座長=白石隆・熊本県立大学特別栄誉教授)の表敬を受け、来年の核不拡散条約(NPT)再検討会議に向けて賢人会議が取りまとめた提言などを巡り意見交換した。山口那津男常任顧問、党核廃絶推進委員会の谷合正明委員長(参院会長)、平木だいさく副委員長(参院議員、参院選予定候補=比例区)が同席した。
席上、白石座長らは、2023年に賢人会議として、NPT再検討会議準備委員会に向けて発出したメッセージに触れ「核兵器の使用や威嚇をすべきではないことを強く主張した」と強調した。
その上で、今回は軍拡競争が国同士の疑いを増長させ、対話の機会もないことから「対話の重要性も訴えた」と述べ、保有国と非保有国などとの対話を持続的なものにしていく必要性を力説。核抑止は安全保障の最終形態でないことや長崎を最後の被爆地にするといった文言も提言に盛り込んだ上で「核軍縮を進める上での橋渡し役のポイントを示せた」と話した。
■NPT再検討会議への提言、党平和ビジョンに生かす
斉藤代表らは、賢人会議の提言について「今春策定予定の党『平和創出ビジョン』の参考にしたい」と強調。特に、東アジアでの安全保障対話の枠組みの構築を訴えていくとの考えを示した。
白石座長らはNPT再検討会議を巡り「合意の幅を狭く考えることも一つだ」との考えを表明した。
斉藤代表らは、保有国側からの「歩み寄り」を促すべきだと主張。また、委員の立場の違いを乗り越え、賢人会議が合意を生み出したことに謝意を示し「NPT再検討会議が成功するよう、日本政府と共に強くバックアップしたい」と応じた。
意見交換では、非保有国に核攻撃や威嚇をしない「消極的安全保障」の強化や核実験の一時的な停止の有効性などについても議論した。(4月2日付公明新聞)